薄毛治療には様々な方法があり、先ずは治療薬として有効な内服薬や外用薬を使用して治療を始める方が多いと思いますが、その他にも発毛を促進させる成長因子を培養し、それを頭皮に注入して高い確率で発毛を促す毛髪再生メソセラピーなども行われている一方、そうした薄毛治療を行っても実感できる効果が見られなかった患者さんの中には自毛植毛を受ける方もおり、近年では植毛の中でも最新のテクノロジーを駆使した植毛ロボットによる施術が話題となっています。
では、最先端と言われる植毛ロボットとは一体どのようなもので、どのような施術を行うのでしょうか?
このロボットは「ARTAS(アルタス)」と呼ばれる世界が注目するロボットであり、アメリカの有名植毛外科医と医療用ロボット工学の専門家たちによって研究・開発されたもので、その正確さと精度は非常に高くこのロボットを使用して複雑なICチップを作り上げることも可能と言われています。
開発に関わった専門家とは、アメリカインテュティヴ・サージカル社の開発チームであり、このチームは高性能の内視鏡下手術用ロボットであるダヴィンチシステムを開発した実績あるチームで、ARTASは4つの高性能CCDカメラが1秒間に50回というスピードで頭皮を撮影し、髪の生える角度や向き、髪の密度、本数などを正確に把握し記録していきます。
このロボットから収集した患者さんの頭皮データを、専門医師が画像と共にモニタリングチェックを行いうことでスピーディーなドナー採取を可能としており、この作業を実現させているのもこのARTASが髪の密度や本数、また何万通りもの統計データをもとに肉眼では確認することができないような皮膚の内部にある毛根の角度までを正確に計算することができるため、ドナー採取の際にはこうした毛根が切断されないよう的確な範囲を瞬時に算出することができるので、最適な間隔でのドナー採取を可能としています。
ARTASを採用した植毛治療では、頭皮に傷が残らない点も大きなメリットとなっており、その理由としては、傷の大きさが世界最小という点にあり、これを可能としているのは「テンショナーシステム」と「2ニードルシステム」の2つの方法を採用していることです。
テンショナーシステムとは、ドナー採取率が良くなるかどうかを判断するためテンショナーと呼ばれる器具と硬度計を使用して頭皮の硬さを測るシステムで、方法としては①薄毛部分の頭皮の硬さと薄毛の具合を評価する、②ドナーを採取する部分の皮膚の硬さと採取率の関係を調査する、③薄毛部分の皮膚の硬さと髪の定着率を調査する、という3つのことを調べますが、テンショナーを付ける際、頭皮を引き延ばして付けることになりますが、引き延ばされても傷跡は1mm以下となるので痛みもなく安心です。
2ニードルシステムとは、2段階の操作によって毛根を傷付けずに採取することができるシステムで、これは外側パンチ(アウターニードル)と内蔵されている内針(インナーニードル)の2段階から構成されており、インナーニードルで皮膚のみをパンチしてその次にアウターニードルでコアリングすることでスムーズに吸引が行えるようになります。
現在ARTAS植毛を行っている医療機関には、「ルネッサンスクリニック」や「TOMクリニック」などで、ルネッサンスクリニックは大手有名美容クリニックがプロデュースする、AGA専門治療クリニックで、新宿・大阪・福岡・仙台にクリニックがあります。またTOMクリニックは、ARTAS植毛で100症例を突破した実績ある薄毛治療対策の専門病院で、東京・新橋と大阪・梅田にクリニックを構えています。