人間の髪の毛は年齢とともに抜けてしまうものですが、抜けるにはまだ早い年齢で、抜けてしまう場合には脱毛症と呼ばれ、男性の悩みのひとつとして広く知られており、さまざまな治療方法が開発されていますが、髪の毛のもととなる毛根細胞そのものが死んでしまった場合には、発毛薬などによる治療で髪の毛を生やすことはかなり難しく、カツラを利用するか最終的な治療方法としての植毛を行うことになります。
髪の毛が生えてこないような状態は、つまり毛根細胞の活動が完全に死んでしまった状態で、毛根細胞を生き返らすといったことは現在の治療技術では難しく、そのため、ほかの正常な毛根細胞を移植する自毛植毛が一般に行われます。自毛植毛は、毛が豊かな部位から毛根細胞を採取して、髪の毛が薄くなった部位やまったく生えてこない部位に植毛するというもので、以前は人工植毛が行われていましたが、こちらは人工の毛を頭皮に埋め込む方法が行われていおり、そのさいに炎症や拒絶反応などのリスクが多く、現在の日本国内ではほぼ使われていません。この人工植毛に代わって登場したのが、自毛植毛で、移植技術を利用し自身の毛根細胞を移植する方法で、生きている毛根細胞を気になる場所に移植することで、発毛を促すことができ、さらに自身の細胞を移植するだけなので炎症などのリスクを極力抑えることができ、一度、定着すれば継続的に髪の毛を生やすことが期待できる治療法となっています。
一方で、自毛植毛といっても、さまざまな方法が開発されており、日々進化しており、その方法のひとつがバンドル植毛と呼ばれるものです。それまでの自毛植毛では、後頭部などの目立たない場所の頭皮を一定範囲切り取り、そこから毛根細胞ごとに分別しひとつの株として気になる部位に移植する方法が行われていましたが、この方法で採取した部位に大きな傷を遺すデメリットがあり、特に採取した場所の毛が薄くなったさいにはその傷口が目立ってしまいます。バンドル植毛では頭皮を大幅に採取することなく、毛包単位で採取するため採取した場所の傷口が目立たないというメリットがあり、やや密度は減るものの採取場所も自然な状態を保つことができます。
バンドル植毛のメリットとしては、大幅に頭皮を切る必要がないため、採取場所の傷口の治りが早いという点で、また一本一本を採取し移植するため比較的、仕上がりも自然であるという点があげられます。一方で、デメリットとしては、従来の植毛と異なり、非常に時間が掛かるということです。また一本一本を採取して移植するという作業を行うため、医師に求められるスキルも高く、使われる機材も高価であるため、コスト面でも高く付くため、どのクリックでも同じ品質のサービスを得られるとは限らないため注意が必要です。なお、バンドル植毛と似たようなものとして単一植毛(ニードル法など)がありますが、単一植毛が毛根単位で移植するという違うがあります。毛根単位で移植を行うため、比較的移植するものが大きくなりがちで、やや仕上がりが不自然になるといったデメリットがあります。
バンドル植毛の治療の流れとしては、毛包単位で採取することですが、このさいには細い専用の注射針を使い採取され植毛されますが、それまでの方法では、毛根細胞は直径単位で株分けされ、毛の密度からすればやや粗っぽい単位での植毛を行っていましたが毛包単位は、直径単位よりも小さいため、植毛したさいに自然な仕上がりとなるメリットがありますが、デメリットとしては、株の単位が非常にきめ細やかになるため施術そのものに時間が掛かり、さらに単位が小さいため、採取した側と植毛をした側で密度が出にくいといったことがあります。